Works

2023年6月2日「Meet, UP!~多様な性とそのあり方とは~」
2023.06.02 2023Meet UP!

2023年6月2日(金)、ダイバーシティフォーラム「Meet, UP!」をオンラインにて開催し、6社から300名以上が参加しました。

これまでCo-ALIVEでは、同じ食品業界だからこそ共感・共有できる課題に対し知恵を出し合うことで、自社のみならず、食品業界へもインパクトを与え、より発展していくことを目的に、講演やダイバーシティフォーラム等を開催してきました。

今回のテーマはLGBTQ+。映画『カランコエの花』の同時視聴を通し、多様な性のあり方と共に暮らす人々との関係性について考えていただきました。また後半では認定NPO法人グッド・エイジング・エールズ代表であり、またLGBTQ+当事者でもある松中権様を講師としてお招きし、ご講演いただきました。

「Meet, UP!」の取り組み、目的についてはこちらからご覧ください。

About us

 

本記事では、当日の講演内容についてご紹介します。

■第一部:映画視聴 『カランコエの花』 中川駿監督

本作品はLGBTQ+をテーマに、当事者ではなく周囲の人々の目線から描き、2017年・第26回レインボー・リール東京(東京国際レズビアン&ゲイ映画祭)のコンペティションでグランプリを受賞した短編作品です。

ある高校の2年生のクラスで、ある日「LGBTについて」の授業が行われたことをきっかけに、LGBT当事者がいるのではないかという噂が広まっていく様子を描いております。

当日、参加者の皆様には「自分だったらどうするか」を観点にご視聴いただきました。

 

■第二部:講演 松中権様

第二部講演パートでは、松中様より当事者としてのご経験を交え、多様な性とそのあり方、そしてこの先の未来を共に作り・暮らしていくために今どのような行動ができるか、お話いただきました。

 

冒頭、「皆様の身近に必ずLGBTQ+の当事者が暮らしている。しかし、どんなことに困り、心を痛めているかが見えにくいのが現状。想像力を持ち、また“可視化”を行っていくことが大切」とあった上で、

松中様ご自身が当事者として経験してきたことや、その時の感情・思いをまさに可視化していただきました。

実体験を率直にお話いただく中に、LGBTQ+というマイノリティ性を生まれ持つことで、現代においても直面せざるを得ない苦しみや、周囲の人々からの尊重ある関わりによってもたらされる喜びが伝わる内容でした。

 

講演後半では、改めてLGBTQ+を語る上での用語についての解説や、

映画『カランコエの花』の話と関連して「アウティング(本人の同意なくセクシュアリティを開示・共有すること)」については、絶対に行わないこと、 もし「誰かに伝えることが本人のため」と思ったとしても、本人の許可なく誰かに伝えないことをお話いただきました。一橋大学アウティング事件に強い衝撃を受け、進むキャリアを大きく変えられたという松中様の思いが伝わる内容でした。

 

講演最後には、松中様より参加者の皆様へのメッセージで締めくくられました。

「心の中で『ウェルカム』と思っていても、“可視化”されなければ伝わらない。ぜひアライ(性的マイノリティと同盟・連帯する人)として、実際に見える・聞こえる形でその支援を表明してほしい。ウェルカムを表に出す人=ウェルカミングアウトという言葉をお預けして、講演を終わりたいと思います」

 

45分の講演のあと15分ほど質疑応答の時間を設け、参加者より非常に多くの活発な質問が寄せられました。

 

■参加者の声

<第一部:映画視聴>

『非常にリアルな映画だったので、周りでも起きうることですし、自分に置き換えて考えさせられる映画でした』

『登場人物の心の葛藤が表情から読み取れて、味方になりたいのに、とっさにした行動で、傷つけてしまったという状況が、今の自分もそうしてしまいそうで慎重に行動しようと思った』

『主人公がちょうど自分の子どもと同年代でした。私自身をかえりみるだけでなく、子どもたちにもきちんと伝えていかなければと感じました』

 

<第二部:講演>

『当たり前に存在していた差別・区別を改めて認識し、皆が生きやすい世界・日本・会社になればよいと感じました。アライという活動を初めて知ったので、自分もできる範囲で行動に移せたらと思います』

『理解できることもあれば、正直100%理解できないこともあるが、それも含めて皆が健康で気持ちよく生活できる、多様性のある社会を構築していく必要性があると感じた。』

『「家族のことを話すこと自体、異性愛であることのカミングアウト」という松中氏のコメントが印象的だった。 理解しようと意識しているが、自分の普段の何気ない一言で当事者を傷つけているかもしれないとハッとさせられた。』

『今まで深く考えてこなかったLGBTQについて向き合うことができました。自分の娘が当事者であるかもしれないし、同僚がそうであるかもしれないことを念頭において発言や行動は注意し、皆が自分らしく生きていけるような環境づくりに努めなければならないと感じました』