Works
2023年12月11日(月)にてダイバーシティフォーラム「Spiral UP!」を開催し、6社298名の社員が参加しました。
Co-ALIVE(食品企業共同企画)では、2018年よりダイバーシティフォーラム「Spiral UP!」と題し、その年のテーマの第一人者の方とそれを実践している企業の方をお招きし、講演を行ってきました。
一昨年からは、新型コロナウィルス感染拡大の影響を鑑み、オンラインでの開催を続けています。
「SPIRAL UP!」の取り組み、目的についてはこちらからご覧ください。
▶About us
本記事では、講演についてご紹介します。
講演 入山 章栄様(早稲田大学大学院 早稲田大学ビジネススクール教授)
冒頭の講演では、早稲田大学大学院・早稲田大学ビジネススクール教授の入山様より、ダイバーシティ推進の意味・意義や、具体的に今日から私たちにできること、について経営学とビジネス現場からお話いただきました。
講演前半では、ダイバーシティ推進の大本に立ち返り「なぜ今ダイバーシティが必要なのか」、そして「なぜ日本のダイバーシティ推進は進まないのか」をお話いただきました。
「日本企業のダイバーシティ最大の課題は、“なぜダイバーシティが必要なのか”が企業の意思決定者たちの中にハラオチしていないこと」とずばり言いきられることから始まり、実際に入山様が多くの企業でのダイバーシティ課題解決の現場で経験された「なぜ御社ではダイバーシティを?」「わかりません」というやりとりが代表例として挙げられました。
また、ご専門である経営学の観点から“なぜダイバーシティが必要なのか”に答える際は、「ダイバーシティはイノベーションのために不可欠」「イノベーションは、これからの企業の生き残りのためには不可欠」と断言されています。
ビジネスを取り巻く環境の激変、人材の流動化を改めて指摘し、「魅力がない企業・ダイバーシティのない企業は人材に見放され、若く優秀な人材もどんどん流出する」「現状維持はありえない、とにかく自ら動いて変化を起こさないと、会社がなくなる」時代だからこそ、ダイバーシティは“社会貢献”ではなく“生存のために不可欠”なのだ、という力強い論調が展開されました。
また、経営学の概念を用い、企業が生存するために不可欠なイノベーションの創出は既存の知と知の組み合わせから生まれること、ノウハウのある領域を掘り下げる「知の深化」だけでなく遠く広く広げる「知の探索」を両立する必要性に触れながら、
「終身雇用制によって人間関係・資本・経験が固定化された日本企業では“知の深化”ばかりが進み、“知の探索”が進まない」「企業の中で“知の探索”を進めようと思ったら、なるべくバラバラな人で構成されている組織を作るのが早い」と改めてダイバーシティがなぜ企業に必要なのかに立ち戻ります。
講演後半では、ここまで理論上必要とされているにも関わらず、なぜ日本企業ではダイバーシティが進まないのかが分解されました。“異なる知”を導入しようとして外見の異なる人々が企業組織に加わった際生まれてしまう断層や、ダイバーシティ“だけ”を導入しようとしても企業組織が変わりづらいこと(本来、新卒一括採用や評価制度・働き方や雇用を含む会社全体を変えなければ変わらない)、それ故非常に時間もパワーもかかり経営者の本気のコミットメントが求められることなどを、経営学の知見を用いて紐解いていただきました。
参加者の声
~「Spiral UP!」講演を聞いて~
ご講演を受けて、
『思っていたこと、なかなか社内では議題にならないような内容をズバッと発言頂き、自分のやっていることの方向性が間違っていないこと、もっと良くするために必要なことが理解できた。』
『女性の管理職を増やす云々というのにものすごく違和感があり、本質はそこじゃないだろうと思っていたのですが、どうしても聞こえてくるのは女性の地位向上ばかりだったので、正直なところダイバーシティという言葉は嫌いでした。ただ、今日の話を聞くことで、本来あるべきダイバーシティはそうではなく、もっと組織としてシナジー効果を得られるような考え方であるということを認識できたので非常に有意義でした。』
など、ご自身の取り組みや課題認識と紐づいて、強くエンパワーメントされた感想が多く寄せられました。