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2025年10月16日・22日「LADY, GO UP!」10期
2025.11.26 2025EventLADY, GO UP!


食品企業6社(サッポロホールディングス株式会社、株式会社ニチレイフーズ、株式会社日清製粉グループ本社、森永製菓株式会社、森永乳業株式会社、株式会社ロッテホールディングス)が共同開催するダイバーシティ&インクルージョン推進企画「Co-ALIVE」は、女性活躍推進セミナー「LADY, GO UP!」を開催いたしました。本企画は、組織・人材開発支援事業を手掛けるリ・カレント株式会社が支援・運営しています。
「LADY, GO UP!」セミナーは、食品企業6社の女性社員を対象とし、同じ食品業界の他社の社員と共に、自社以外の多様なキャリアの在り方やロールモデルを知り、今後の自身のキャリア構築のためのヒントや気づきを相互に得ることを目的としています。

本催しの10期目となる今年は、2日間の日程にて、それぞれ基調講演・ワークショップを開催しました。


「LADY, GO UP!」の取り組み、目的についてはこちらからご覧ください。
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本記事では、当日の講演内容についてご紹介します。

◆ DAY1:基調講演

DAY1の基調講演では、「ロールモデルから活躍のヒントを得る」をテーマに、元株式会社ポーラ代表取締役社長、現一般社団法人MASHING UP理事の及川美紀氏にご登壇いただきました。

「可能性の扉をひらく~リーダーの形は一つではない~」と題された講演は、及川氏ご自身のキャリアを振り返る率直なご経験談から幕を開けました。

「実はリーダーとは長い旅でもある。完璧だからリーダーになるわけじゃなくて、リーダーもリーダーとして育っていきます。まさに山登りと同様に1合目、2合目と登っていくイメージ。人間だから、失敗もあるし、何度も立ち止まって考えることもある。現在、私は56歳ですが、まだまだ自分の中では5合目ぐらいの意識です」

様々な葛藤や戸惑い、そして気づきを経て進んでこられた道筋を、実直に、時折ユーモアを交えて語られるその様子に、多くの聴講者が共感を寄せました。

また、仕事への意識を変えたターニングポイントとして、厳しい状況下で自分を信じてくれた他者の存在について言及されました。

「出向時代に、頑張りを評価してほしいと思っても評価されず、ぐれていく時期もありました。しかし自分に期待をして、時には厳しい言葉で叱ってくれたり、立ち直って欲しいと思ってくれている人がいる。そんな人の存在に初めて気づき、仕事への意識に変化がありました」

さらに、リーダーとしての目標を見定めるきっかけとなった、上司との重要な対話を紹介されました。

「あるとき、上司が私にした質問が『及川さんは、課長試験に合格して何がやりたいの?』。その上司の質問は私の目を開いてくれるものでした。しばらくして考えて思わず答えてしまったのが、『この組織が好きで、十数年お世話になっていて、この組織を一流にしたいのです』でした」

「その一流にしたいという思いをどうやって成し遂げればいいか。一流とは何なのか?売上や利益が高いことなのか?どんなチームが一流と言えるのか?いろいろな問いが自分の中にあふれ、一流の組織を作るに対する答えを求める旅の始まりでもありました」

ご自身の経験に基づいた「可能性の扉」の開け方についても、強いメッセージで語られました。

「可能性の扉は自動ドアではありません。開けようとおもってじたばた、押したり引いたり叩いたりするから開くのであって、開けたい!という思いから、一緒に開けようと助けてくれる人が出てくるのです」

「自分の未来の扉を開くということは、次に続く誰かの扉も開く。自分のためにやればいい。自分のために開けた扉でも次に続く誰かがその扉を通っていきますので。ぜひやってみてください。リーダーシップは永遠の旅です。私もいろんなところでまだまだ旅を続けているので!」

ご自身の「リーダーの旅」を一歩ずつ歩まれてきた及川氏ならではの、血の通った体験と経験の語りに、参加者は大きな感銘を受け、1時間半にわたる講演は盛況のうちに終了しました。

◆DAY2:パネルディスカッション

セッション冒頭で「特定のひとりをモデルにするのではなく、複数の人の良いところを取り入れ、自分なりのモデルを形成していく」パーツモデルの考え方が紹介されたのち、様々なご経験を持つ各社の女性管理職が人生曲線を用いつつこれまでの経験を振り返り、仕事に対する考え方や哲学、現在の思いなどを語りました。

パネルディスカッション後、参加者の皆様からは

「先輩パネリストの方との対話で考え方や物事の捉え方を伺えたのが良かったです。普段、近くに女性管理職の方がいないので、女性がどう仕事に向き合って、キャリアを形成していくのか想像がつかなかった。良い気づきの機会になりました」

「日頃、人数が多くない事業所におり、女性比率も少なく、ロールモデル(パーツモデル)の数を少なく感じていました。本やSNSを見たところで十分な情報を得られず、他業界の方のお話も自分に置き換えることが難しく、少しモヤモヤを抱えていました。本セミナーでは、同業他社の方々だからこそ、業務のイメージを持ちつつ、各社様々な風土があることを知ることができました。また、他社の方だからこそ、周囲の目を気にすることなく本音に近い話ができ、スッキリした気持ちになれました。」

「同年代の他社の方々との交流を通じて、社内ではなかなか話しづらいことも自然と共有でき、心のもやもやが少し晴れたように感じています」

といったご感想が寄せられました。

◆全日程を終えて:参加者の感想

講演を受け、参加者からは、自分や所属組織の課題に重ね合わせた、深い共感・学びのコメントが寄せられました。

「『〇年目だからこうでなければならない』『女性だから、子供を持つから〇〇できない』など無意識的な固定概念が自分の中にあった。そういった固定概念を無くす意識付けを心がけて、自分だけのキャリアを描いていきたいと考えます」

「受講前は、マネージャーになるかどうか悩ましく(自分にはマネジメントできる気がしない)、管理職一歩手前で止まるのがいいのではないかと考えていましたが、自分自身でハードルを上げていたことに気づきました。なれる素質があるかはまだまだ分かりませんが、流れに身を任せ、もし今後なれるタイミングがあれば恐れずに挑戦してみようと思います」

「社内だけではこのような多様な話を聞くことができなかったと思います。『多様性が大事』だと及川さんがおっしゃっていましたが、まさしく多様性のある交流会だったなと振り返って感じます。開催まで各社運営の皆様のご調整がたくさんあったかと思いますが、このような機会を設けてくださり本当にありがとうございました。沢山の考え方や働き方を聞くことができ、自分のキャリアの参考になり、活力にもなりました」